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大津地方裁判所 昭和40年(ワ)67号 判決 1967年11月29日

主文

1  被告らは、原告近藤尚子に対し金一三八万六、〇四四円、原告近藤美砂英に対し金二一五万六、九二二円、原告近藤弥寿雄に対し金三〇万円、原告近藤フジに対し金三〇万円、原告近藤惟之男に対し金一〇万円および各これに対する昭和四〇年五月一〇日以降完済に至るまで年五分の割合による金員を各自支払え。

2  原告らの被告らに対するその余の請求はいずれも棄却する。

3  訴訟費用は被告らの連帯負担とする。

この判決は第一項にかぎり、仮に執行することができる。

事実

一、申立

(一)  原告ら

「被告らは、各自原告近藤尚子に対し金一四三万七、六三二円、同近藤美砂英に対し金二二六万九八円、同近藤弥寿雄に対し金五〇万円、同近藤フジに対し金五〇万円、同近藤惟之男に対し金三〇万円およびこれに対する訴状送達の日の翌日である昭和四〇年五月一〇日以降完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え、訴訟費用は被告らの負担とする。」

との判決ならびに仮執行の宣言

(二)  被告ら

「原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。」

二、事実上の主張

(一)  原告らの請求原因

1  訴外近藤茂は昭和四〇年一月二六日午前七時四〇分ごろ第二種原動機付自転車(舞鶴市三〇五九号)を運転して舞鶴市下安久国道二七号線上の相生橋を北東に向つて進行中、被告桂田三一郎運転の普通貨物自動車(滋一そ二五五九号)――車体に大溝工業KKの記載がある――に後方より接触追突され、前記原動機付自転車は転倒しこのため茂は頭蓋内出血の傷害により同日午後零時三〇分ごろ死亡するに至つた。被告桂田は右事故後、茂を顧みず、ひき逃げしていたものであるが、目撃者や捜査官の苦心の捜査の結果、五日後に逮捕せられたものである。

2  被告らは次の理由により本件事故により生じた原告らの損害を賠償する責任がある。

イ 被告桂田の責任 前記事故の結果茂が死亡するに至つたのは被告桂田の自動車運行上の過失によるものであるから、被告桂田は民法第七〇九条によつて原告らの蒙つた損害を賠償する責任がある。

ロ 被告大溝工業株式会社の責任 被告大溝工業は被告桂田の運転する前記普通貨物自動車の所有者たる被告山中と専属的な運送契約を締結し、かつその車体に自己の名前を記載することを承諾して、本件貨物自動車を自己の営業のために運行の用に供していたものであるから自動車損害賠償保障法(以下自賠法と略称)第三条により原告らのこうむつた損害を賠償する責任がある。

ハ 被告山中の責任 被告山中は本件貨物自動車の所有者で(但し、登録原簿上の所有者名義は大阪ふそう自動車株式会社)被告大溝工業との間で同社の木材運搬を専属的に行う運送業者であつて、被告桂田を自動車運転者として雇入れ本件貨物自動車による運送業務を行なわせていたもので被告大溝工業同様自己の営業のために本件貨物自動車を運行の用に供していたものであるから自賠法第三条により原告らのこうむつた損害を賠償する責任がある。仮に被告山中に運行供用者としての責任が認められないとしても被告山中は被告桂田の使用者として民法第七一五条により原告らのこうむつた損害を賠償する責任がある。

3  原告近藤尚子は近藤茂の妻、同近藤美砂英は近藤茂の子、同近藤弥寿雄は近藤茂の父、同近藤フジは近藤茂の母、同近藤惟之男は近藤茂の同居の弟であるところ、本件事故により被告らに対し次のような損害賠償請求権を取得したので、被告らはその支払義務がある。

イ 財産上の損害

(1) 得べかりし利益の喪失による損害

茂は死亡当時三五歳の健康なる男子で余命年数は厚生省発表第一〇回生命表によると三五・二七年であり、生前農業等による収入は一ケ年金三九万円であり(昭和三九年度)右収入から控除すべき生活費は自賠法に基づく保険金査定基準によれば扶養家族のある場合家族の消費指数の合計で本人の所得を除した金額を本人の生活費としているから茂の場合扶養家族は原告尚子、同美砂英、同弥寿雄、同フジの四名で消費指数は本人一・〇、配偶者〇・九、五歳~十一歳〇・四、十四歳以上〇・六であるから合計三・五となり右数値で茂の年間所得三九万円を除すると約金一一万円となるから、これを控除した純益は年二八万円となるのでこれに余命年数を乗じホフマン式計算方法によつて中間利息を控除すると、金三五九万一、一二七円となり、結局茂は本件事故により右と同額の損害をこうむつたこととなり、原告尚子は右の内三分の一に当る金一一九万七、〇四二円を同美砂英は三分の二に当る金二三九万四、〇八四円をそれぞれ相続によつて取得した。

(2) 原動機付自転車の破損による損害

本件事故により茂は原動機付自転車を破損し、金四万九、〇二〇円の損害をこうむつたので相続人である原告尚子はその三分の一である金一万六、三四〇円、同美砂英は三分の二である金三万二、六八〇円をそれぞれ相続によつて取得した。

(3) 治療費

本件事故後、茂は通行人などによつて、舞鶴赤十字病院に運び込まれ手当を受けたが、その際原告尚子は治療費として同病院へ金一万三七三円支払つたので、同額の損害をこうむつたことになる。

(4) 葬式費用

原告尚子は茂の葬式のため寺院に対し金二万円、その他葬式に関する諸雑費として金二万七、二一〇円、合計金四万七、二一〇円支払つたので同額の損害をこうむつたこととなる。

ロ 精神上の損害

原告らはいずれも親族で本件事故による茂の死亡によりそれぞれ甚大なる精神的苦痛をこうむつた。従つて右精神的苦痛に対する慰藉料として原告尚子、同美砂英、同弥寿雄、同フジは各金五〇万円、同惟之男は金三〇万円の各損害賠償請求権を有する。

4  原告尚子、同美砂英両名は本訴提起後、自賠法に基づき金一〇〇万円の保険金を受領したが、原告尚子は右の内法定相続分三分の一に当る金三三万三、三三三円を、原告美砂英は三分の二、に当る金六六万六、六六六円をそれぞれ取得したので以上の損害額からこれをそれぞれ控除して請求する。

5  以上のとおりで結局被告らは各自原告尚子に対し金一四三万七、六三二円、同美砂英に対し金二二六万九八円、同弥寿雄に対しては金五〇万円、同フジに対しては金五〇万円、同惟之男に対しては金三〇万円およびこれに対する訴状送達の翌日である昭和四〇年五月一〇日以降完済に至るまで年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

(二)  被告らの答弁

被告桂田、同山中の答弁

1  請求原因1の中、茂が原告ら主張の日時、場所で原告ら主張の傷害を受け死亡したことは認めるがその余は争う。

2  請求原因2の中、イは争う。同ハの中、被告山中が運送業を営むこと、被告大溝工業のためにも運送を行つていること、被告桂田を本件貨物自動車の運転者として雇入れ運送業務を行なわせていたことは認めるがその余の事実は否認する。

3  請求原因3の中、原告らの身分関係については認めるが、その余はすべて不知。

被告大溝工業の答弁

1  請求原因1の事実中、本件貨物自動車の車体に大溝工業KKの記載があることは認めるが、その余の事実は争う。

2  請求原因2のロの事実中、本件貨物自動車が被告山中の所有であつて、被告大溝工業は被告山中と運送契約を締結して運送を依頼しているものであることは認めるが、その余の事実は争う。被告大溝工業は被告山中と運送契約を締結してはいるが本件貨物自動車を自己のために運行の用に供しているものではない。本件貨物自動車の車体に大溝工業KKの記載があるのは、被告山中より材木運搬の際、車体に被告会社名を記載しておくと材木積荷先にて便宜をはかつてくれるので記載させて欲しいという依頼があつたのでこれを承諾したに過ぎぬもので右のことからたゞちに被告大溝工業が本件貨物自動車を運行の用に供していたものということはできない。

(三)  立証〔略〕

理由

一、被告桂田に対する原告らの請求

被告桂田が被告山中に雇われ自動車運転の業務に従事しているものであつて、原告ら主張の日時、場所において訴外近藤茂が死亡したことは当事者間に争いがない。〔証拠略〕を総合すると、被告桂田は被告大溝工業のため京都府舞鶴市加津良にある貯木場まで材木を取りに行くべく、昭和四〇年一月二六日午前四時半頃、滋賀県高島郡高島町字勝野の被告山中方を本件貨物自動車を運転して出発し同日午前七時四〇分頃、舞鶴市字下安久相生橋(国道二七号線)上に時速約三〇キロメートルでさしかかつたが、同橋を約二〇メートル進行したところで前方七・八〇メートルの同橋東詰を対向してくる大型ダンプカーを認め、さらに自車前方一五・六メートルのところを訴外近藤茂運転の原動機付自転車が同橋上の欄干寄りに同方向に進行しているのを認めたが、前記対向してくるダンプカーと無事離合することにのみ気を奪われ右先行の自転車に注意を払うことなく同橋を約五一メートル進行したところで対向ダンプカーとの距離が五・六メートルに接近したので若干ハンドルを左に切りそのまま離合できたと考えてハンドルを右に切つたとき自車の左後輪がガタンという音がしてその瞬間左後輪が大きく浮上つて固いものを轢いたショックを感じたこと、右ショックは先行の訴外近藤茂の自転車が後方から本件貨物自動車に接触され同人は右方に自転車と共に倒れ、そのままひきづられたうえ、左後輪で轢過されたことによるもので、右訴外人は同日午後零時三〇分、舞鶴赤十字病院において、頭蓋内出血により死亡したことが認められ、右認定に反する乙一、二号証は措信できず他に右認定を左右するに足りる証拠はない。以上の事実からすれば訴外近藤茂の死亡は被告桂田運転の本件貨物自動車によつて惹起されたことが明らかである。

そこで、さらに被告桂田の自動車運行上の過失について判断すると、〔証拠略〕によれば、現場の相生橋は長さ九五メートル、幅員七・五メートルの直線のコンクリート橋で路面は凹凸なく平坦であり、被告桂田運転の本件貨物自動車は長さ九メートル、幅二・四九メートル、高さ二・八メートルであり、訴外近藤茂運転の原動機付自転車は長さ約二メートル、幅〇・七八メートル、高さ一・〇四メートルであることが認められる。従つて被告桂田は同橋上において対向するダンプカーと離合せんとするときは、右対向車のみでなく自車の前方を走行する訴外近藤茂運転の原動機付自転車の動行に充分注意し、前記道路幅等から考えて特に安全の確認されるまでは同車の追抜きに出る如きは厳にこれを差控えるなどして事故の発生を未然に防止すべき業務上の注意義務があつたことは明らかで、右注意義務を怠つて対向車にのみ気を奪われ追抜きに出た過失は極めて大きいものといわねばならない。

以上のとおりであるから被告桂田は民法第七〇九条により本件事故による訴外近藤茂の死亡につき原告らのこうむつた損害を賠償すべき責任があること明らかである。

二、被告大溝工業に対する原告らの請求

本件貨物の自動車の車体に被告大溝工業株式会社名が記載されていたことは当事者間に争いがない。

被告大溝工業は本件貨物自動車を自己のために運行の用に供したものでないと争うので判断するに〔証拠略〕によれば、被告大溝工業は木材製材等を業とする株式会社で、昭和三八年以来被告山中に木材の運搬を依頼し、主に京都府舞鶴市の貯木場から自己の製材工場まで運搬させていたもので、本件事故当時も被告山中はその被用者である被告桂田をして右運搬にあたらせていたものであること、本件貨物自動車の車体に被告大溝工業の名称が記載せられているが、これは被告山中から被告大溝工業に材木の積込現場で大溝工業ということであれば便宜をはかつてくれるからと懇願したことから、被告大溝工業が名義の使用を許諾したものであること、しかし被告大溝工業の材木運搬には被告山中以外にも多くの運送業者が運搬を依頼されていたが、自動車の車体に被告大溝工業の名義を使用することを許諾された運送業者は被告山中以外にはいないこと、被告山中の大溝工業から受取る運賃収入は昭和三九年四月から同年一二月までは月平均約三〇万円、本件事故後の昭和四〇年一月から同年一二月までは月平均約一四万円であつて、本件事故によつて大幅な収入減を来しているが、いずれにしても収益の大部分は被告大溝工業から受取る運賃収入であること、本件貨物自動車の保管場所として被告大溝工業の工場を利用していたことが屡々あることを認めることができ、右認定に反する被告山中喜四蔵本人尋問の結果の一部は措信できず他に右認定を左右するに足る証拠はない。

以上の事実から判断すれば、被告大溝工業は被告山中に対し、少くとも本件貨物自動車に関する限り自己の名義を使用して木材の運送を行うことを許容し外部に対しあたかも自己が本件貨物自動車の運行者たる外観を表示していたものであり、さらに被告山中はその営業の大部分が被告大溝工業の木材運送に依存し両者間には極めて密接な関係が認められ、本件貨物自動車の保管についても被告大溝工業の工場を利用したこと等、このような事情からすれば被告大溝工業は本件貨物自動車を所有するものではないけれども、事実上これが運行を支配し、かつ、その運行によつて自家用車同様の経済的利益を享受していたものと認めるのが相当である。従つて被告大溝工業は本件貨物自動車につき自賠法第三条の運行供用者に含まれるものと解するを相当というべきであるから同法条により右運行によつて生じた損害を賠償する責任を免れない。

三、被告山中に対する原告らの請求

〔証拠略〕によれば、被告山中が本件貨物自動車の使用者として登録されているものであることが認められ、右認定に反する証拠がなく、この事実と、本件事故当時被告山中が被告桂田を使用して本件貨物自動車を運転させていたこと(当事者間に争いがない)を併せ考えると、被告山中はすくなくとも本件貨物自動車の使用権限を有する者でかつ本件貨物自動車の運行によつて収益を得ていたものと認めることができるから自賠法第三条の運行供用者であることは明らかである。

そうすれば、被告山中も原告らに対し本件貨物自動車の運行によつて生じた損害を賠償すべき義務がある。

そして被告らの右賠償責任はいわゆる不真正連帯の関係に立つものと解すべきである。

四、原告らのこうむつた損害

原告近藤尚子が訴外近藤茂の妻、原告近藤美砂英が同人の長女、原告近藤弥寿雄が同人の父、原告近藤フジが同人の母、原告近藤惟之男が同人の弟であることは当事者間に争いがない。

(1)  財産上の損害

〔証拠略〕を総合すると、茂は本件事故による死亡当時満三五歳(昭和四年一〇月一三日生)の健康な男子で農業を営み、さらに農閑期には大工等として稼動していたもので、死亡当時少くとも一ケ年合計金三九万円の収入を得ていたが、同人の余命はなお、三五・二七年でその健康状態および職業などから同人が七〇歳に達するまでの三五年間は労働可能であつたものと認めるのが相当であり、そうすると同人は本件事故がなかつたならば将来三五年間にわたり一ケ年三九万円の収入を得ることができたものと認められるところ、右収入を得るための同人の生活費は一ケ月金一万円。一ケ年合計金一二万円を要するものと認めるのが相当であり、したがつて同人が本件事故によつて失つた得べかりし利益の現在額は右三五年間の得べかりし収入から同期間毎年一二万円の割合で生活費を控除し、さらにホフマン式計算方法で年五分の中間利息を控除した金三四三万六、三六三円となることは計数上明らかである。右認定を左右する証拠は他にない。とすれば原告近藤尚子は同人の妻として三分の一に当る金一一四万五、四五四円を、同近藤美砂英は同人の子として三分の二にあたる金二二九万九〇八円の損害賠償請求権をそれぞれ相続したこととなる。

次に〔証拠略〕をあわせ考えると、茂が本件事故によつて死亡した当時乗車していた原動機付自転車の破損による損害が少くとも金四万九、〇二〇円であることが認められ右認定を左右するに足る証拠はない。そうすれば、原告近藤尚子は右損害の三分の一にあたる金一万六、三四〇円を、同近藤美砂英は右損害の三分の二に当たる金三万二、六八〇円の損害賠償請求権をそれぞれ相続したこととなる。

さらに〔証拠略〕をあわせると、原告近藤尚子は本件事故による茂の舞鶴赤十字病院入院治療費として少くとも金一万三七三円以上の金員を支出したこと、および茂の葬式費用として少くとも金四万七、二一〇円以上の金員を支出したことを認めることができ、他に右認定を左右する証拠はない。されば原告近藤尚子の右合計金五万七、五八三円以上の支出は本件事故により支出をよぎなくされた金員であるから被告らは原告近藤尚子の主張の限度である右金五万七、五八三円を同尚子に支払う義務がある。

(2)  精神上の損害

〔証拠略〕によれば、原告らは右茂を中心として同人とともに、平和な家庭生活を営んでいたことが認められる。右認定事実と本件事故の原因、態様その他本件記録にあらわれた諸般の事情を考慮すれば、原告らは右茂の死亡により相当の精神的苦痛をこうむつたものというべく、右苦痛に対する慰藉料としては原告近藤尚子、同近藤美砂英は各金五〇万円、同近藤弥寿雄、同近藤フジは各金三〇万円、同近藤惟之男は金一〇万円と認めるのが相当である。

(3)  原告らは本訴提起後、自賠法に基づき金一〇〇万円の保険金による給付を受け、右の中、原告近藤尚子が金三三万三、三三三円を、同近藤美砂英は金六六万六、六六六円をそれぞれ相続によつて取得したことは原告らにおいて自認するところであるから、以上の損害額からこれをそれぞれ控除すべきものである。

(4)  以上認定したところによれば、原告らの本訴請求のうち被告らに対し、原告近藤尚子は財産上の損害については金八八万六、〇四四円の限度において、精神上の損害については金五〇万円、同近藤美砂英は財産上の損害については金一六五万六、九二二円の限度において、精神上の損害については金五〇万円、同近藤弥寿雄、同近藤フジは精神上の損害について各金三〇万円の限度において、同近藤惟之男は精神上の損害について金一〇万円の限度においてその支払を求める請求は理由があるが、右限度を超える部分の請求はいずれも理由がない。

五、しからば、被告ら三名は原告近藤尚子に対し金一三八万六、〇四四円同近藤美砂英に対し、金二一五万六、九二二円、同近藤弥寿雄に対し金三〇万円、同近藤フジに対し金三〇万円、同近藤惟之男に対し金一〇万円およびこれに対する本件不法行為ののちである昭和四〇年五月一〇日から右支払ずみまで年五分の割合による遅延損害金を支払う義務がある。よつて原告らの本訴請求を右の限度において正当として認容すべく右限度を超える部分に対する請求は失当であるからこれを棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八九条、第九二条、第九三条を仮執行の宣言につき同法第一九六条を各適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 畑健次 首藤武兵 畠山芳治)

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